元勇者、素材探しに行く
「ヨーミリ、こちらはこの村の火の土地神であるフローラだ」
俺はヨーミリにフローラを紹介した。
「フローラよ、よろしくね」
「ドワーフ族のヨーミリっス! 神様に会えるなんて光栄ッス!」
「フフフ、もっと讃えても良いのよ」
「調子に乗るな」
アクアがフローラの頭に水の塊を落とした。
「冷たっ!? 私が水が苦手なの知ってるわよねっ!?」
「当然でしょ、一応私の方がこの村での貢献度は高いんだからね」
「すぐに塗り替えてやるわよ」
「出来るものなら、ね」
······この2人、本当良く喧嘩するなぁ。
まぁ、2人はほっとくか。
「ノエルさん早速だけど素材を取りに行きたいッス!」
そうだな、材料が無ければ仕事も出来ないだろう。
「じゃあ村の中を案内がてら素材を取りに行くか」
俺達は村近くの森へとやって来た。
「おぉ~、上質な木がいっぱいあるッス!」
「何本か切り出すか?」
「そうッスね、じゃあ切るッス!」
そう言うと斧を持って木を切り出した。
流石と言うか、手際よく斧を振るい徐々に木がミシミシと傾いてきた。
そしてズシーンと言う音と共に木が倒れた。
「樹齢は数百年と言う感じっスかね」
切り株を見てヨーミリはボソッと言った。
「そんな事がわかるのか?」
「勿論ッス! 素材の知識も無いと良い物は出来ないッスからね!」
そう言って胸を張るヨーミリを見て、俺はもしかして天才なんじゃないか?と思った。
その後も素材集めを行い石や岩や土なんかを集めた。