元勇者、ヨーミリの腕を確かめる
「じゃあ早速ギルドに案内しよう」
サラとヨーミリの話が一段落したところで俺はギルドに案内する事にした。
「すまなかったな、置いてけぼりにして······」
「いやいや、全然気にしてないから。 それよりもサラがあんなに感情豊かに話しているのが意外だった。いつもはクールだからな」
「!!」
俺の指摘にサラは顔を俯いてしまった。
「あ、俺なんか悪い事言ったか?」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。照れてるだけだから」
「そ、そうか······」
サラの態度を気にしていたが大丈夫みたいだ。
一方、ヨーミリは鼻をクンクンならしていた。
「匂うッス······、この村から良い素材の匂いがプンプンするッス!」
「素材の匂いがわかるのか?」
「自然の匂いをかぎ分ける事ができるッス。経験ッスね。この村には良い素材の匂いが出てるッス! これは良い仕事ができるッス!」
なんかわからんがテンションが上がっているみたいで良かった。
そんな話をしているうちにギルドに着いた。
「ガーザス、鍛冶職人を連れてきたぞ」
「おっ、そうかっ!」
「アタシはヨーミリって言うッス! よろしくッス!」
「俺はこのギルドのマスターをやっているガーザスだ、よろしくな」
2人は握手をした。
「早速だけどヨーミリが作った武器を見せてくれないか?」
「お安い御用ッス!」
そう言ってヨーミリは背負っていた袋から様々な剣を取り出した。
ガーザスは剣を手に取って感触を確かめていた。
「う~ん、こりゃなかなかの腕だな」
「ふむ、リゾフも良い腕を持っていたがヨーミリもなかなかの腕みたいだ」
「ありがとッス!」
ヨーミリは自分の作った武器が褒められてまんざらでもない様な顔をしていた。