元勇者、鍛冶職人を探す
「おぉっ! 遂に鍛冶場を作ってくれるのかっ!!」
「あぁ、待たせてすまない」
「いやいや、迅速な行動でありがたい、流石はノエルだ」
俺は鍛冶場を作る事をガーザスに報告した。
「うちは新人用に武器とか防具を貸し出しているから専属の鍛冶屋が必要なんだよ」
ギルドには専属の職人がいて武器や防具の修理をやってくれている。
「今まで修理とかどうしていたんだ?」
「王都にある大手の武器屋に頼んでたんだが、最近料金が値上がりしたんだよ」
「値上がり?」
「原因は職人不足で人手が足りなくて外部の鍛冶職人にも頼んでいるんだが腕があると同時にプライドが高いみたいであんまり上手く行っていないみたいだ」
「そうか······」
となると鍛冶場が出来たとしても職人がいなければなんともならないな。
「それだったらドワーフ族に頼んでみるのはどうだ?」
「ドワーフ、って職人系の魔族だよな? サラ、心当たりがあるのか?」
「私が魔王軍に所属していた頃、武器や防具の手入れをやってくれていたドワーフがいた。腕がよくて良い仕事をしてくれた」
当時を思い出したのか懐かしそうな顔をするサラ。
「でも今は連絡先はわからないんだろ?」
「彼等は基本的に魔族の森に住んでいるからな······」
「アリスに頼んでみるか」
俺はアリスに連絡を取りサラの知り合いのドワーフを探してくれるよう頼んだ。