元勇者、フローラを歓迎する
「はぁっ!? 住むってどういう事っ!?」
うん、やっぱりこうなった······。
アクアが戻って来てフローラの姿を見て驚きの声をあげて住むと聞いた瞬間の一声が今のである。
「私もこの地域の土地神よ、土地に祝福を与える為には土地に根付くのは当たり前でしょう」
「そんなの聞いてないんだけどっ!?」
「うん、言ってないから。だけど女神様の許可は得てるし。ほら、これ任命書」
ピラピラと一枚の紙を見せるフローラ。
そこには何か書いてあるのだが読めないのでわからない。
「うっ······、確かにこれは任命書、女神様の文字だわ······、ぐぬぬ」
「まぁそういう訳だからよろしくね♪」
アクアはまだ納得出来ていない顔をしているが仕方がない、と思う。
「まぁ、この村を繁栄に導いてくれるなら俺としては歓迎するよ、これからよろしくな、フローラ」
「こちらこそよろしく、ノエル」
俺はフローラと握手した。
「でも、そうなると住む所はどうしましょうか?」
「私は火を扱う場所なら何処でも良いけど出来れば鍛冶場が良いわね。鍛冶場は火の神を尊重しているから」
鍛冶場、か······。
そういえば鍛冶場って無いよな。
「鍛冶場を作る懸案ってあったか?」
「あぁ、ありましたね。ギルドから『武器を作りたいから』という声がありました」
「ちょうど良かったな、鍛冶場を作るか」
こうしてこの村に鍛冶場を作る事になった。




