元勇者、結婚式の後日談を話す
「はぁ~、久しぶりにのんびり出来るなぁ······」
ケンビア国での結婚式に関する一連の出来事から1週間が経過して、俺はハノイ村でのんびりしていた。
「なんだか遠く感じちゃいますね、でも1週間しか経過してないんですよね」
「そういえばあれから公爵達はどうなったんだ?」
「あの後、すぐに捜査が始まったんですが賄賂とか癒着とか色々悪事が発覚してバタバタしているみたいですよ」
「ユウスケが入手した資料だと長年やってきたみらいだからな······、厳罰は間違いないな」
「当たり前です! 悪事は必ずバレるんです!」
リリアがそう言って胸を張った。
いや、なんでお前が胸を張る?
「そういえばアミア達は新婚旅行に行ったのか?」
「はい、昨日出発したみたいですよ。場所はリゾート島として有名なハウエル島だそうです」
ハウエル島は南にある島なんだが貴族や王族の別荘があって有名なリゾートだ。
「俺は行った事無いが結構良い所らしいな」
「はい、海は綺麗で食べ物は美味しいです!」
「行った事あるんだ」
「年に一回は行ってます! ノエル様も行きましょう!」
「そうだな、いずれは行きたいな」
いつになるかはわからないがな。
と、そんな事を話しているといきなりドアが開いた。
「やっほー、久しぶり♪」
「あれ? フローラさん?」
現れたのは火の土地神フローラだった。
「久しぶりだな、神界以来か、何のようだ?」
「うん、私今日から此処に住むから」
······はい?
「えっ、住むって? ハノイ村に」
「そうよ、よろしくね♪」
あれ? もしかして波乱の予感?