元勇者、冥王の暴れぶりを見る
「さて、では暴れてくるかのぉ」
紐が解かれて腕をポキポキ鳴らしながらモミジ。
「いでよ、『冥月』!」
そうモミジが叫ぶと手に長い棒みたいな物が現れた。
「ユウスケ、あれはなんだ?」
「見た事無いか、あれは『ナギナタ』って言ってワ国独特の武器だよ」
「さぁ、楽しませてもらおうかのぉ♪」
「先陣は俺達が行くから3分後に乗り込んでくれ」
「コウも行くのか?」
「コイツが暴れないように監視だ」
そう言ってコウとモミジは一瞬にして消えた、と思ったら既に門の所に来ていた。
「なんだ貴様らっ!?」
「殴り込みじゃ♪」
「怪我したくなかったらさっさとどいた方が良いぞ」
「ふざけるなっ!?」
門番2人が剣を構えようとした、が。
「邪魔じゃ」
その一言でナギナタを門番2人に振りかざした。
「ぐええぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!?!?」
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!?!?」
門番2人が横にくの字になって綺麗に吹っ飛んだ。
「うわぁ······」
「あんなのは序の口だよ······」
双眼鏡で見ていた俺達は絶句していた。
サラなんて冷や汗を掻いて真っ青になっている。
「む、鍵がかかっているようじゃの」
そう言うとモミジはナギナタを門に向かって振り下ろした。
一瞬にして門の鍵は真っ二つになっていた。
それを乱暴に足蹴にしてズカズカと入って行った。
それから数分後、敷地内からドカンドカンと音と共に人間が上空に吹っ飛んで行くのを何回も見た。
「ユウスケ······」
「何も言わないでよ······、因みにあのナギナタはモミジさんの特注品で砲撃も撃つ事が出来るよ」
「そうなのかっ!?」
「言っておくけどモミジさんだから出来る事だからね」
ハハハと乾いた笑いをするユウスケ。
······あれが敵じゃなくて良かった。




