元勇者、コウに協力を求む
「······と言う訳なんだけど協力してもらえる?」
一旦俺達はケンビアから戻りハーブ亭にやって来た。
そして、来訪していたコウに事情を話した。
「なるほど、人の恋路を邪魔する奴はろくでもないからな、弄り倒してやろう」
「弄り倒す、て······」
「なぁに、ちょっとした生き地獄を見せてやるだけだ」
コウはそう言って不適に笑った。
「それ、弄りの度合いを越えてるよなっ!?」
「ノエル、コウさんにとっての『弄り』は生きるか死ぬかの瀬戸際を攻めて来る物なんだよ······」
「褒めるな♪」
「「褒めてないっ!」」
俺とユウスケは2人でつっこんだ。
「せっかくだからモミジにも協力してもらうか」
「えっ!? モミジさんを出しちゃうの?」
「あぁ、そろそろアイツを暴れさせないとワ国の方に被害が出そうだからな······」
「······今の内に手をあわせておこうかな」
ユウスケは遠くを見るような目をして言った。
「仕掛けるなら前日ぐらいだな、クククッ腕がなるぜ······」
「ユウスケ······」
「こういう人なんです、コウさんは」
「一応ケンビア王には伝えておく」
「うん、後で騒ぎになるのは厄介だから······」
当日、俺も着いていくか······。