元勇者、ケンビア王と会う
「ノエル殿っ! わざわざ来ていただいて本当にありがたいっ!」
草原を見た後、せっかくなのでケンビア城に行く事にした。
急な訪問にも関わらず国王様は快く歓迎してくれた。
「長年の懸案だったコバルト国との国交の復興の解決の糸口を作って下さったノエル殿にはいつかお礼を言おう、と思っておったのだ」
「いやいや、俺は何もしてませんよ。ほとんどリリアがやった事ですから······」
「リリア姫にも大変お世話になった。あのお茶会以降アミアが劇的に変わった。今まで政治に興味がなかったのに積極的に意見を言う事になってくれた······」
国王様は涙ぐんでいる。
この人、結構苦労してそうだな。
「お父様、結婚式の件ですがノエル様達に協力していただく事になりました」
「そうか、重ね重ね世話になります」
そう言って国王様は頭を下げた。
······何か王族のイメージとは違うな。
こんなに腰の低い国王なんて始めて見たよ。
「アミアから話は聞きました。議会に反対されていると」
「えぇ、情けない話、今我が王族には権力は無いのです。先祖が起こした過ちのツケを今もなおこうして返し続けている状態なのです」
国王様はため息を吐いた。
「議会で今発言力があるのは?」
「ロンディ公爵家です。実は私と婚約の話も出ていたんですがメークとの婚約が正式に決まった事が納得いかないみたいで」
「いますよね、自分の立場を勘違いして好き勝手やっている貴族が」
リリアはやれやれと言った顔をしている。
「そういう奴らは裏で悪どい事をやっていると思いますから、この際国の膿を吐き出すべきではないか、と思うんですが」
「ロンディ公爵は用心深い人物でなかなか尻尾を出さない人物だが······」
「大丈夫です。俺の友人に尻尾を無理やり出させる事が出来る奴がいるので」
俺はニッコリ笑って断言した。
せっかくなのでアイツを巻き込む事にしよう。
「くしゅん! あれ?何か風邪かな······」
ハーブ亭でユウスケがくしゃみをしていた、と言う。




