元勇者、世界の広さを知る
「あっ、でもノエルは大丈夫だと思うぞ」
「俺が? なんで?」
「魔王を倒した事、ワ国の血が少しは入っている事、一番はミカドがお前に興味を持っている、と言う事だ」
ミカドが興味を持ってる、って俺の事を知ってるのか?
「ワ国でも俺の事は知られているのか?」
「あぁ『魔王を倒したにも限らず国や仲間に裏切られた不憫な勇者』って」
「ぐうっ!?」
的確な指摘に俺は思わず胸がズキッとなり抑えた。
「出たよ、コウさんの弄り······、精神的にも肉体的にも責めてくるからなぁ」
「褒めるな褒めるな」
「褒めてないからっ!?」
なんだろうか、コウのターゲットにされてる気がするんだが······。
敵に回したくない人物が一人増えた。
「それって『神殺しのモミジ』って言われてる人じゃない?」
村に帰って来て俺はコウから聞いた話を話したらアクアがそんな事を言って来た。
「知ってるのか? それになんだよ神殺しって?」
「私も直接見た訳じゃないけど······、神界でも要注意人物で有名だよ。神出鬼没で悪神とかを狩っているらしいよ」
神にも手を出してたんかい······。
「神界にも喧嘩好きな神がいるから何回か死闘をしてるみたいだよ」
「そんな恐ろしい奴がいるのか······、人間なのか?」
サラがちょっと顔色を悪くしていた。
「一応、人間らしいけど特殊な力を持っているのは確かみたいだよ」




