元勇者、ユウスケを評価する
「ミナは今冒険者兼店の手伝いか」
「はい、最近Aランクに上がったんですよ」
「へぇ~、俺が現役だった頃はBランクが最高だったんだけどな」
「それはAランク目前で勇者に認定されてそのまま辞めちゃったからでしょ」
あぁ、そうだったなぁ。
「でもガーザスが辞める、て宣言した時から『無理だな』って思っていたよ。ガーザスとユウスケでAランクに上がりたかったんだよ」
「だったらユウスケを勇者パーティーに誘えば良かったのでは?」
ミナからの問いに俺は首を横に振った。
「俺の意見なんて通らなかったよ。既に仲間は決められていたからな。それにユウスケにはやりたい事があるのは知っていたしな」
「ノエルはそう言う変な気遣いは出来るんだよなぁ······、でも誘われていたら多分行ってると思うよ。親から『友人は掛け替えの無い財宝だから大切にしろ』と言われているから」
「ユウスケが参加していたらまた結末も変わっていたんだろうなぁ。ひょっとしたら魔王を瞬殺で倒していたかもしれないぞ」
「そこまでは強くないからっ!? 人をチートみたいに言うの止めてっ!?」
いや、ドラゴン相手に数分で頭を切り落とした奴だぞ、あり得ない話ではない。
それだけユウスケの強さは異常だった。
ユウスケは功績を自慢もしないし相手が貴族であろうが王族であろうが物怖じしない度胸も持っている。
一番敵に回したくない人物だ。




