元勇者、天使を紹介する
「······と言う訳で今日からこの村で暮らす事になった天使のアニラとユニラだ」
村に帰って来た俺達はさっそくアニラ達をみんなに紹介した。
「皆様、はじめましてアクア様付き天使のアニラと申します、よろしくお願いいたします」
丁寧に挨拶をするアニラ。
「私はユニラ! よろしくね♪」
対してユニラは友好的な感じだ。
2人の見た目は似ているのだがアニラは青色のショートカットで右目を隠していて大人しい感じがする。
それに対してユニラはオレンジ色で左目を隠していて明るく元気だ。
「アクア、こうも対称的になるもんなのか?」
「う~ん、天使の性格がどうやって決まるかは私にもわからないんだよね。多分、私の性格が影響してるかも」
契約の時にアクアは2人と握手をしている。
それで契約は成立したらしい。
「握手した時に私の情報を彼女達に流したんだよね。だから魔族とか人間とか差別は無いかもしれない」
「確かにサラにも友好的だよな」
実はそこが一番危惧していた。
なんせ、この村は種族の垣根を無くすのを目標としている。
万が一、トラブルが起こったらどうしようかと思ったのだがどうやら大丈夫みたいだ。
「でもサラさん、ひきつっている様に見えますけど」
リリアの指摘によくよく見るとサラは口元をピクピクさせている。
後でサラに聞いたら四天王時代に天使と戦った事があるらしい。
「天使は量産出来るから厄介なんだ······。無表情で攻撃してきて戦いづらかった」
「そんなに強いのか?」
「あぁ、敵には一切容赦をしない。魔族からしたら天敵みたいなもんだ」
それはアリスも一緒みたいでアニラ達を見た瞬間、冷や汗をダラダラ流していた。
こりゃこれからが大変だな······。




