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元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
元勇者編
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元勇者、謝罪を受ける

 まぁ、びっくりした。


 扉を開けたら元仲間だったアイナがいたんだから。


 その顔は疲れきっていて、一緒に旅をしていた時の、自信満々でプライドの高い、いつも人を見下した感じで見ていた表情とは一変していた。


 最初、お互い固まっていたのだが、声をかけようとした瞬間


「ごめんなさいっ! 貴方を裏切るような行為をしてしまって!!」


 涙をポロポロ出しながらいきなり土下座をした。


「いや、いきなり謝られても・・・・・・、とりあえず中に入れ。」


 何か尋常では無いのでとりあえず中に入れた。


 そして、改めて話を聞いた。


「カイン王子の差し金だったか・・・・・・。」


「目の前の出世に眩んでしまって・・・・・・、本当にごめんなさいっ!」


「まぁ、俺もそんなに気にしてないし・・・・・・まぁ、仲間だと思っていたのに裏切られたのはショックだったけど・・・・・・ステラは許さないけれども。・・・・・・反省してるんだったら許すよ。」


 それなりに大変だった、みたいだからな。


 そう言うと泣きながら「ありがとう・・・・・・」とアイナは言った。


「で、どうすんだ?」


「もう王都には戻れないし・・・・・・出来ればこの村で魔法の研究をしながらゆっくり暮らしたいわ・・・・・・。」


「じゃあ、すれば良いじゃないか?」


「良いの? 此所に住んでも?」


「俺は村長じゃないから別に許可をとらなくても構わない。住みたきゃ住めば良い。」


 そう言うとまた泣き出した。


 相当我慢していたんだな。


 こうして、アイナはこの村に住む事になった。


「お優しいんですね、ノエル様は。」


「そうか? そんなに関係性が無いからじゃないかな? ステラの事は謝ってきても許すつもりは無いし。」


「ステラって、バカ王子と婚約した方ですよね?」


 ・・・・・・サーニャも辛辣になって来たなぁ。敵と認定すれば、こうも態度が変わるとは。


「あいつは今頃は王宮で悠々自適な生活してんじゃないかな? どうでも良いけど。」


「どうでしょうか・・・・・・。 王妃教育もありますから、それに結婚したとしても周りに認めてもらえるかどうかが肝心なんです。」


「どういう意味だ?」


「結婚とか大事な用件は、余程の事が無い限り王の独断では決められないんです。王族全員の許可が必要になって来るんですが・・・・・・一人へそを曲げている人物を知っています。」


「へそを曲げている人物?」


「『キャミー』王女です。私を姉と慕ってくれていて、あの王族の中ではマトモな人物です。バカ王子はキャミー王女を溺愛してますから・・・・・・。」


 ・・・・・・何か複雑な事が起こっている様な気がする。 



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