元勇者、魔法神の家につく
「着いた、ここが魔法神の家よ」
「普通の家······、ですよね?」
一軒の家の前にやって来た俺達、見た目は貴族の家と変わらない感じだった。
「神様だからと言って特別な所に住んでる訳じゃないのよ、私は実家暮らしだしアクアにも実家はあるし」
「実家ぁっ!? と言う事は家族がいるんですかっ!?」
フローラの発言にリリアはすっとんきょうな声を出した。
「う~ん、家族とは違うかなぁ。家族は血の繋がりだけど私達の場合は属性の繋がり、私だったら水の繋がりでお姉ちゃんとかはいるよ」
「親はいないんですか?」
「親は女神様だからねぇ、そう言う認識は無いわね」
う~ん、やっぱり神と人間では違う部分もあるのか······。
そんな事を思っているとアクアは扉をドンドンと叩き出した。
「エリンジャー、いるんでしょ? あんたのせいで地上で迷惑がかかってるんだからさっさと出てきなさい!」
シーン······。
アクアの呼び掛けに全く返事がない。
「あのバカ、完全に拗ねてるわね」
フローラが呆れた様に言った。
「仕方がない······、強行突破するか」
そう言うとアクアは手を前に構えた。
アクアの手からは水の玉が現れた。
「いくよ······、『ウォーターボム』!」
アクアの手から玄関に向かって水の玉は弾き飛ばされ爆発した。
ドカァァァァン!!
玄関は見事に弾き飛んだ。
「だ、大丈夫なのか?」
「後で直せばいいから問題なし♪」
そう言ってアクアは家の中へと入って行った。
「いつものことだから気にしない方が良いわよ」
「い、いつものことなんですか······」
······アクアってどんな生活してたんだ?




