元勇者、神界へ行く2
ミラージュに連れられ俺達は村外れの岩場にある洞穴へとやって来た。
「此処が神界へと続く道よ、人類で行くのは片手で数えるくらいしかいないわ」
「別にケンカを売りに行く訳じゃないんだ、大丈夫だろ」
「中には人類を嫌悪している神もいるから気をつけてね」
アクアが真顔で忠告した。
思わずごくりと唾を飲んだ。
「まぁ、そんな神はそもそも表舞台には出てこないからね、じゃあ出発!」
アクアを先頭に俺達は洞穴の中へ入って行った。
どれくらい歩いたかはわからない、何せ真っ暗だから何も見えない。
「もうすぐだから、ほら光が見えてきたよ」
確かに歩く先に光が見えた。
俺達は光に向かって歩いた。
そして······、
「とうちゃーく、ようこそ神界へ♪」
そこは俺達の世界と似たような風景だった。
しかしどことなくだが神聖な空気が出ている。
王都の様に町があり宮殿みたいな建物が立っている。
「あの宮殿が女神様の住んでいる所、彼処は私みたいな土地神は近寄れないのよ」
「神の世界でもランクがあるんですか?」
リリアの質問にアクアが答えた。
「勿論あるよ、女神様を頂点にして上級、中級、下級と分かれているの、因みに私は中級女神よ」
「魔法神様のランクは?」
「私と同じ中級、私の方が若干上かな」
アクアってもしかして凄い神様なんじゃないか、と思った。




