幕間 ノエルが勇者になった後6
後日、僕はEランクに昇格したミナと一緒にシュヴィア国へとやってきた。
「レバニアよりも雰囲気が良いですね」
「確かに、どんよりとした空気が無いね。活気を感じるよ」
僕達の第1印象は非常にいいものだった。
「じゃあ、早速ギルドに行こうか」
僕達はシュヴィアのギルドへと向かった。
受付に向かい紹介状を出すと既に話が通っていたみたいで応接間へと通された。
「やぁやぁ、シュヴィアのギルドへようこそ、ギルド長のシエンスと言います」
「ユウスケ・アナンと言います」
「話は聞いてますよ、なんでも勇者ノエルのかつてのパーティー仲間だったそうじゃないですか」
「えっ!? 知ってるんですかっ!?」
って言うか、レバニアはノエルが勇者だと公表してないはずなんだけどなんでこの人は知ってるんだろう。
「私も独自の情報網を持っていますからね……、それでお店を出したいそうですね」
「はい、すぐに、と言う話では無いんですが……」
「いいじゃないですか、将来の事を考えて行動する、素晴らしい事です。お店を出したいのであれば商業ギルドへ登録する事をオススメしますよ。商売の事だったらなんでもわかりますから」
やっぱりギルドの登録は必要なのか。
「ユウスケさんの場合は、冒険者としての実績は文句はありませんから特に審査なしで即登録できますよ」
「本当ですかっ!? でも、冒険者登録は……」
「大丈夫です。ここは総合ギルドで冒険者、商業、農業、魔法その他全て統一されてますから」
そう言ってシエンスさんはにっこりと笑った。
……う~ん、この人只者ではない匂いがプンプンする。
「それじゃあ……、商業ギルドに登録します」
こういうのは思いっきりが肝心だ、僕はその場でシュヴィアの商業ギルドへの登録を決めた。




