幕間 ノエルが勇者になった後5
「つ、疲れた······」
「ユウスケさん、どうかしましたか? 凄く疲れた様な顔がしてますよ?」
「昨夜、旧友がいきなり現れてねぇ······」
「大丈夫ですか? 今日の依頼は止めておいた方が」
「いや、大丈夫だよ。そろそろミナも昇格出来るかもしれない大事な時期だからね」
コウさんと会った翌日、いつもの様に僕はミナとギルドで合流した。
現在ミナは見習いのFランクだけど次の依頼を達成すればEランクに昇格する。
Eランクになれば見習いは卒業、行動範囲が拡大する。
「それじゃあ今日は卒業試験と言う事で1人で依頼を受けてみようか」
「わかりました」
そう言ってミナは掲示板へと向かった。
「おぅ、あのミナって言う子、なかなか頑張ってるじゃないか」
声をかけてきたのはギルドマスターだ。
「はい、僕なんか直ぐに追い抜かれますよ」
「ははっ、お前を追い抜けるんだったらドラゴンを瞬殺できるな。ところで『例の件』だけどなぁ、やっぱりレバニアでは厳しいな」
「やっぱりですか······」
『例の件』とは僕の夢である自分の喫茶店を持つ事だ。
出来ればレバニアで店を出したくてマスターに物価とか調べて貰っている。
「レバニアは新参者を歓迎しないからな、それに物価も高いからな、これも魔王討伐に金をかけてるのが原因みたいだな、だから商人の間で噂になってるのがシュヴィアの方が良いらしい」
「シュヴィアかぁ······、実は気にはなっているんですよね」
「どうだ? シュヴィアに行ってみたらどうだ? 向こうのギルドマスターに紹介状書いてやるぞ」
「そうですね、一回行ってみますよ」
「その方が良い、ユウスケはレバニアで埋まらせておくには勿体無いからな」
僕はシュヴィア国に行ってみる事にした。




