幕間 ノエルが勇者になった後3
それから暫く僕はミナにギルドの仕組みやモンスターとの戦い方とかダンジョンの攻略法とかを教えた。
元騎士であるミナは覚えが早くてあっという間に教える事が無くなっていった。
「じゃあ今日はここまでね」
「ありがとうございました」
依頼を終えてミナと別れて自宅へと帰る。
途中で食品店でおかずを買って家に帰ってきた。
「······ん? 誰かいる?」
家から気配を感じて懐から小刀を取り出す。
音を立てずに僕は玄関を開けた。
そろりそろりと歩き明かりをつけた。
「誰だっ!!······って、えぇっ!?」
「おぅ、久しぶりだな、ユウスケ」
「コ、コウさんっ!?」
明かりをつけて僕は驚いた。
目の前で何故か寛いでいる人物はワ国の幼なじみ『コウ・ソウマ』だった。
「な、なんで·······」
「なんでってそりゃあお前に会いに来たからに決まってるだろ?」
「いやいやいやっ!? 自宅教えてませんよねっ!? 手紙も出してないし」
「そんなもん調べりゃすぐわかる。それにこっちに知り合いがいるからな」
どんだけ顔が広いんだろ······。
数分後、なんとか落ち着きを取り戻してコウさんと話をした。
「お前の実家から様子を見てこい、と言われてな。ついでに旅でもしよう、と思ってな」
「相変わらず自由ですね······」
「それが俺だからな」
コウさんはワ国では僕の実家であるアナン家と同じワ国を守護する『四名家』の1つ。
アナン家は主にシノビの力でワ国を守護するのに対しソウマ家は『力』で守護する。
なかなか難しいんだけどワ国でソウマ家にケンカを売る奴はいない。
何せコウさんを含めて全員戦闘狂の一族なんだよね。
+コウさんは僕が旅に出る前に修行を強制的につけられた人物。
ぶっちゃけトラウマを植え付けられました。
コウさんの被害にあった人物は数知らず······。
うん、よく生きてたよ。




