元勇者、将軍の決意を知る
「そして、今当時のクアントと同じ状況に儂はなっておる。」
「えっ!? お父様を追放しようとしているのですかっ!? 国に今まで貢献をしてきたお父様をっ!?」
「いずれは引退する身だとは思っておる。だが、この国はこのままあの王族に牛耳られていると破滅に向かってしまう。・・・・・・ノエル殿の手柄を横取りした時点で既に神の怒りを買ってはおるだろうが。だが、最後の孝行をするべきだ、と思っている。」
「将軍、まさか・・・・・・。」
「儂はクーデターを起こす。この国を建て直すのは今しかないっ!!」
力強く宣言した。
「ノエル殿、申し訳ないがサーニャを暫く預かってもらえぬか? これから慌ただしくなるかもしれん。」
「預かるのは構わないが、サーニャはどうする?」
「私はお父様を支持致します。今の話を聞いて、私はカイン様、いえあの王子に対する未練が無くなりました。本当は一発殴りたい気分ですが。」
「流石は我が娘だっ! その機会は必ず与えよう!」
豪快に笑う将軍。
・・・・・・何か俺、とんでもない場面に立ち会ってるんじゃないか、と思う。
「ガーザス、お前はどうする?」
「俺か? 聞いちゃったからには参加しないとダメだろうよ。」
「家は大丈夫なのか?」
「一応、話してはみるが反対されたら気ままな冒険者に戻るさ。」
こいつも楽天的なんだよなぁ・・・・・・。