元勇者、旧友と再会する
※今回の話はアニメイト用に書き下ろしたSSをアレンジしました。
ネイアスから話を聞いた翌日、俺はシュヴィアの王都に来ていた。
「確かこのあたりだったよな……、しかしこの辺りはよく来ていたのに喫茶店なんてあったか……?」
俺はネイアスから地図をもらいユウスケがやっている喫茶店を目指して歩いていた。
「この道を右に曲がって……、裏通りじゃないか」
そういえば、ユウスケは目立つのが苦手だったな、と思いながら俺は裏通りを歩いて漸く目的地の喫茶店にやってきた。
喫茶店の名前は『ハーブ亭』と言うらしい。
少し緊張しつつも俺は店のドアを開ける。
「いらっしゃいませ~」
のんびりした声で奥にいた気のよさそうな青年が挨拶した。
「ユウスケ、久しぶりだな……」
「へっ!?……アァッ!?ノエルさんっ!?」
ユウスケも俺のことに気づいて驚きの声を上げた。
「ノエルさん、お久しぶりですっ! なんで、ここがわかったんですかっ!?」
「ネイアスから聞いたんだよ、しかしこんな近くで店をやっているとは思わなかったよ」
ユウスケと俺は再会の握手をして喜び合った。
その後、俺達はお互いの事を語り合った。
ユウスケは元々『ワ国』という東の果てにある島国の出身らしいが、世界を知るためにこの大陸に渡ってきた。
その際にドSな友人から『どうせだったらドラゴンの一匹や二匹は倒せるぐらい強くならんとな』の一言で地獄のような特訓を受けたらしい。
……一体どんな日々を過ごしてたのか想像つかない。
実際、ユウスケは強かった。多分パーティーの中では一番強かったかもしれない。
「そういえば、昔から自分の店をやりたい、って言っていたもんな」
「えぇ、1年前にこのお店をオープンしたんです」
「なんで、こんな人通りが少ない所に店を出したんだ?」
「家賃とか色々な事情があるんですけど、『知る人が知る』みたいな店をやりたかったんです」
「やっぱり変わってないな、地位とか名誉とか関係ないもんな」
俺達は時間を忘れて語り合った。
漸く出す事ができた……。今回登場のユウスケは僕が『真・ゼルガーの部屋』というサイトで書いていた某リリカルな魔法少女の二次小説の主人公をこの小説用にちょっとアレンジしました。