元勇者、領主の仕事をする
先日、シュバルツと話していたからだろうか、マルグスからの移住者がハノイ領にもやってきた。
勿論、身元が分からない人物を住まわせるわけにはいかないので、簡単な面談を行う。
「領主のノエルです。基本的にはうちは移住者は歓迎しますが簡単な面談を行わせてもらいます」
そう言って一人づつ面談を行う。
平民から貴族、独身から家族持ちまで様々だ。
「そんなにマルグスは大変な事になってるんですか?」
「えぇ、最初はすぐに収まると思っていたんですが……、第2王子も第3王子も戦力が同じなので勝ったり負けたりの繰り返し、それに関連して税金がだんだんと高くなっていって」
「悪循環だな、そりゃあ……」
話を聞くと状況は悪化しているみたいだ。
「私達も祖国を捨てたくは無いんですが……」
そりゃあ好きで捨てたくはないよな。
妥協点があればいいんだが、やっぱり第1王子が肝心だな。
「まぁ、俺がとやかく言う事ではないけれどもやっぱり平和がいちばんだしな……」
シュバルツにお願いしてマルグスの第1王子に会わせてもらう事にした。
『元勇者は静かに暮らしたい』絶賛発売中です。よろしくお願いいたします。




