幕間 サーニャ
「はぁ~・・・・・・」
「どうした? 浮かない顔して」
サーニャがため息をついていたので聞いてみた。
「いえ・・・・・・、お見合いの話が山の様に来てまして私もお父様も対応に困っているんです」
「そんなに来てるのか?」
「はい、でも今はレバニア国の立て直しの方が先ですから・・・・・・」
「そんな気はない、か。まだカインの事を引きずっているんじゃないか?」
「いえ、『アレ』で気が済みましたからスッキリしました」
アレというのはカインをぶん殴った事だ。
「何かいつの間にか広まっているよなぁ」
密室での出来事だったんだがカインが伸びている事や室外迄に聞こえた音とかがあり兵士とかメイドが広めていったみたいだ。
「それだったらお見合いの話なんて来ない筈なんですけど、正直男性に手を挙げる女性なんて貰う人はいないと思うんですが」
「逆にぶん殴った事が好印象を得たんじゃないか? 王族をぶん殴る事なんて誰も出来ない事なんだから」
それを提案したのは俺なんだけどな。
「この時期に近づいてくるのは下心があるだろうから気を付けろよ」
「今はその気はありませんから大丈夫ですよ」