元勇者、ねぎらう
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遂に歴史書が完成した。
「リベル、上出来だ。ちゃんとわかりやすいし不都合な部分もちゃんと書かれている。人族と魔族とのわだかまりも消えるかもしれないな」
歴史書を読んで俺はリベルをねぎらった。
「ありがとうございます! これもノエルさんや聖王様のお蔭です!」
「あくまで資料を渡しただけだから、私もそろそろ誤解を解く頃だと思っていたから」
今日はミラージュも来ている。
「あ、そう言えば俺のお袋の件だけど……、ミラージュは知っていたのか?」
「あぁ~……、うん知ってたわ。聞かれる機会も無かったから言わなかったのよ。彼女、クイントは歴代の聖女の中でもトップクラスに入るぐらいの実力だったわ」
お袋、そんなに凄かったのか……。
「死後天界にスカウトされて『神化しないか?』て言われたぐらいだから」
「マジかっ!?」
「ある程度の功績を残すと天界にスカウトされるのよ。初代勇者も功績を讃えられて神化したのよ」
「ミラージュだって似たようなもんだろ?」
そう言うとミラージュは首を横に振った。
「私は既に人の輪廻から逸脱しちゃったから神になるのは無理。この世界にずっと留まるだけ。ノエルももしかしたら死後天界にスカウトされるかもしれないわね」
「俺が? いや俺は神っていう器じゃないからな」
「先代勇者も似たような事言ってたわ。『そんなつもりはなかったんだけどなぁ……』って頭を抱えていたわよ」
「ん? 今でも先代勇者と交流があるのか?」
「一応ね、たまに現世に出てくるからね」
マジか……。
歴史書が世に出てすぐに話題になった。
今までの見解とは180度違う内容に世間はビックリしていたし混乱もあったが、すぐに落ち着いた。
あくまで世間は受け入れたが学者陣はやはり騒いだ。
そりゃあ当たり前だが各国の王族がこの歴史書を公式見解と認めた事で収まらざるを得なかった。
中には最後まで騒ぎ立てた奴らもいたが国はそういう奴らを容赦なく切り捨てた。
どうも、かなり評判が悪かったみたいだ。
世の中の変化に付いていけない奴らは置いていかれる、厳しいが世の中とはそんな物なのだ。
『元勇者は静かに暮らしたい』発売まで一週間切りました!よろしくお願いいたします!




