元勇者、祖父の事を調べる
「話は変わるが、俺のじいさん、リネットって言うらしいんだがギルドに何か情報とかないか?」
ダメ元でじいさんの話も聞いてみた。
「リネット・・・・・・、古い書類に名前があるかもしれないな、ちょっと待ってろ」
マスターは一旦席を離れたがすぐに戻ってきた。
「あったあった! リネット・ビーガーはとある貴族の私設傭兵団の団長をやっていたがその後国にスカウトされて勇者パーティーの補佐の一人として魔王討伐に参加、その後に一代限りの男爵籍を得たらしいがこのギルドにも所属してたまに冒険者活動をしていたらしい」
貴族籍を得たのに冒険者としても活動をしていたのか、根っからの戦闘好きだったんだな。
「一時的にも貴族籍があった、という事は『貴族院』に記録が残っているかもしれないぞ」
確かにその通りかもしれないな・・・・・・。
俺はマスターに礼を言って貴族院へと向かった。
因みに貴族院というのは貴族を管理している所だ。
貴族院にやって来た俺は早速リネットに関する資料を要求した。
多少時間はかかったがリネットの記録は残っていた。
「え~と、『リネット・ビーガー、魔王討伐参加の報酬として一代限りの男爵籍を授ける。あくまで籍だけであり土地等は本人が辞退した』か・・・・・・、結婚もしていたみたいだな。名前は『アリア・ビーガー』、旧姓『アリア・アナン』・・・・・・、ん?」
アナンって姓何処かで聞いた事あるような・・・・・・。
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