元勇者、自分のルーツに興味を持つ
「……という事だったんだ」
「初代勇者にそんなエピソードがあったなんて……、でもレバニアの王族だったらありえそうな話ですよね」
あの後、メナルティの案内で再び地上部に戻って来た俺達は村に戻って来た。
そして今リベルに話している。
俺達が魔族領に行っている間にだいぶ編纂は進んでいるみたいだ。
「この話が世に出たら世間はひっくり返りますよ。魔族=悪と言うイメージがありましたからね
」
「でも、事実だからなぁ……、それに丁度魔族との関係を変えようという時期だからタイミングとしては良いと思う」
「そうですね、まぁ頭の固い学者が絶対に文句を言ってくるでしょうけど」
「その対応は私がやりましょう。王家の公認を得れば文句は言わせませんよ」
シュバルツはそう言って胸を張った。
「でも、その勇者も変わり者と言うか、勘が良いと言うか……。そういえば初代勇者の名前って公表されてないんだよな」
「えぇ、歴史書にも記されてないですし……」
「意外とノエル殿と関係がある人物ではないですか?」
「まさか、親父は普通の冒険者だったし……、そう言えば俺のルーツとか聞いた事無いよな」
しかし、両親は既に死んでるし知るすべは無い。
「でも、レバニアの住民者登録証が保存されてるんじゃないですか? 申請すれば出してくれるんじゃないですか?」
「そうか……、折角だし調べてみるか」
『元勇者は静かに暮らしたい』元勇者編を大幅に加筆修正して集英社ダッシュエックス文庫から今月20日に発売されます!各書店のサイトで予約が始まってます!よろしくお願いいたします!本日より書報にも乗っております!




