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元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
領主編
243/416

元勇者、奈落の谷のシステムを知る

「それはどういう事だ?」


「皆さんは魔族が死んだら魂は何処に行くと思いますか? 人間は死んだらあの世に行き善人であれば天国、悪人であれば地獄に行く、と言われていますが」


 ……考えた事が無かった。


「まぁ、普通は考えないでしょう。魔族の場合は死んだら一度冥界に魂が送られます。そして、転生して人間になったり魔族にまたなったりします。それがどういう基準で選ばれるかどうかはわかりません。しかし、中には転生も出来ない魂もある訳です」


「それが、魔王とか幹部の魂……」


「その通りです。その行きつく先がこの奈落の谷なんです。そんな彼らの負の力が障気の原因なんです」


「と言う事は父上の魂も彷徨っているのですか?」


「えぇ、ここには出口がありませんからね、彼らの魂は永久にさまよい続ける訳です。抜け出すためにはこの家にたどり着けなければならないんです」


「この家に?」


「えぇ、私は管理者ですからね。魂を冥界に移す事も出来るんです」


 奈落の谷が魔族にとっては地獄みたいな所だったのか……。


「さて、では障気を抑える様にしましょう。一旦、失礼します」


 そう言ってサザラスは部屋の奥へと行ってしまった。


「あのサザラスっていう奴、何者なんだ? ただの錬金術師じゃないだろ?」


「確かに、此処の管理人と言う事は魔族関係だというのはわかるんだけど」


「アリス、何か知ってるか?」


「いや、私も初めてみる顔だ」


「メナルティは知ってるのか?」


「知ってるー……、だから会わせたの」


 そう言って悪戯っ子の様な笑顔を見せるメナルティ。


 俺は薄々わかっていたが聞いてみる事にした。


「メナルティ、サザラスは……、初代魔王なんじゃないか?」


「せいかーい……、流石ゆーしゃ」


「エッ!? 初代魔王って、倒されたんじゃなかったの?」


「私も勇者に打倒された、と聞いているぞっ!?」


 どうやら魔族の中でも極秘事項だったみたいだ。



『元勇者は静かに暮らしたい』元勇者編を大幅に加筆修正して12月20日に集英社ダッシュエックス文庫から発売されます!ネット予約も受け付け中です!よろしくお願いします!

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