幕間 アクア
今回は幕間です。
「……」
「……ノエル、アクアはどうしたんだ?」
「いや、俺もわからん」
俺とサラは困惑していた。
昨日、『土地神の集まりに行ってくる』と言って笑顔で出て行ったアクアは帰って来るなりテーブルに突っ伏していた。
アクアはいつもニコニコしているのでこんなアクアを見たのは初めてだった。
「アクア……、何かあったのか?」
「……好きで」
「は?」
「好きでこんな体型になった訳じゃないわよっ!!」
いきなり怒鳴り声をあげたので俺とサラは驚いた。
「魔力さえ戻ればっ! 戻れば私だってボンキュッボンのナイスボディになれるのにっ!!」
「な、何があったんだ……?」
「土地神の集まりに行った時に久しぶりに他の神様達に会ったのよ……」
アクア曰くこの周辺にはアクア以外の土地神が存在している。
火の神、土の神、海の神、山の神……。
それを統括しているのが女神なのだが、で年に一回は集まりお互いの近況を報告している。
アクアは久しぶりにその集まりに参加したらしいのだが……。
「火の神が私を見た瞬間、鼻で笑ったのよ!」
「なんで笑ったんだ?」
「……昔の私と違っていたからよ。私、封印される前は大人の姿をしていたから。結構ナイスボディだったのよ。今のこの姿も気に入っているけど」
そういえば、村長の家に神様の肖像画があったが水神の姿は大人の姿だった、と覚えていたが。
「何が腹立つって火の神に言われたのがムカつくっ!! アイツとは昔からそりが合わないけどっ!」
火と水、合わないとは思っていたけど神同士でも合わないのか……。
で、後日火の神と会う機会があったのだがナイスボディの女性でアクアが怒っていた理由がなんとなくわかった。




