元勇者、聖国の成り立ちを知る
「聖国は私達が来た頃は本当に何もない場所だったわ。それを少しづつ開拓して行ったの」
「その途中で邪神の封印を解いたんだよな」
「それだけじゃないわ、遺跡を発見して探検したら、実は古代兵器で世界を一瞬で消滅できる代物だったり、異界と繋がったりと大変だったわ」
「今、さりげなくとんでもない事言ってないか?」
「昔の事だし大丈夫よ。まぁ、あそこはとんでもない場所だったのよ。他の国はその重要さには全く気が付いてなくて、気づけば私達は世界を掌握できるぐらいの力を持っていた訳。流石に他国に流出したらマズイから基本的に立ち入り禁止にして貰ったの。私達が認めた人達以外はね」
「認めるって、他国とは交流は無かったんだろ? どうやって他国の事を調べる?ってもしかして古代遺跡か?」
「そう、世界中の様子を監視できる装置があったのよ。だから世界の動きを細かくチェック出来ていたのよ」
マジか……。
「だから魔王が現れたのもわかったし、災害も起きるのもわかった。それを各国に伝えたおかげで聖国は信頼を徐々に得れるようになった。それで信頼できそうな人達を留学生として聖国に招き入れた」
「その中に父上がいたんですか」
「そうよ、シュヴィアの王族は、この世界では人として優秀だと思うわよ」




