元勇者、報酬を受けとる
「それで、我が国としてはノエル殿に本来差し上げる筈だった報酬を出したい、と思っております。」
「良いのか? 俺は他国の人間だぞ?」
「構いません。国、いや世界を救った英雄に正当な評価、それに値する報酬を出すのは当たり前です。」
そう言ってくれるとありがたい。
「同時にレバニア国には勇者を騙り、ノエル殿を裏切った罪を断罪するつもりです。最悪、レバニア国は破綻するかもしれません。」
「それに関しては俺は別に構わないよ。思いっきりやっちゃって良い。」
「良いのか? 母国だろ?」
「俺の故郷はこの村だし、レバニアとかシュヴィアとかは関係ない。」
「では後日、我が父と共に報酬を持参させていただきます。」
そう言ってシュバルツは帰っていった。
「人族は一枚岩とはいかないみたいだな。」
サラがボソッと呟く。
「まぁ、権力とか癒着とか色々あるんだよ。俺は正直いらないけどな。」
「じゃあ、何で勇者として戦ったんだ?」
「そうだな・・・・・・。」
ちょっと考えて俺はこう言った。
「選ばれた、ていうのもあるがのんびり暮らしたい、っていう気持ちが一番強いな。」
その後、俺はガーザスに連絡を取りサーニャの事を話し父親に来てもらいたい事を話した。




