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元勇者の恋愛観
「・・・・・・なんだこれ?」
リリアの机の上にある積み上がった物を見て俺はリリアに疑問を投げ掛けた。
「お見合いの写真ですよ。年に1回纏めて来るんですよ。憂鬱ですよ。」
そう言って溜め息を吐くリリア。
「王女様、て言うのも大変だなぁ。」
「貴族同士とか国同士の繋がりとか色々複雑なんです。特に私なんて後がありませんから。前に婚約破棄されているんで。」
サラッと自分で言ったなっ!?
こっちは結構気にしてたんだぞっ!?
「私は出来ればお見合いより恋愛して結婚したいんです。」
「珍しいな、何でだ?」
「父上と母上が恋愛だったんですよ。一緒の部隊で寝食を共にして徐々に距離を縮めていったそうです。」
・・・・・・それは恋愛と言えるのか?
「ノエル様こそ、そろそろ恋人を作られないのですか?」
「う~ん・・・・・・、あんまり考えた事無いな。正直恋人を作ろう、なんて思った事無いんだよなぁ。」
「それはもしかしてトラウマになってるんじゃないんですか?」
トラウマ・・・・・・、か。
まだ頭の中で見捨てられた事を気にしているのかもしれないな。




