元勇者、ルーシェに会わせる
「そういえば……、『あの事』は知っているのか?」
俺はリンダに聞いてみた。
「あの事?」
『あの事』と言うのはルーシェの事だ。
ステラとカインの子供であり現在孤児院で暮らしている女の子だ。
この様子だと知らないみたいだ。
「実は……。」
俺はルーシェの事を伝えた。
リンダは驚いたような顔をしていたが、
「ぜひ会いたいわ。」
笑顔で言ってくれた。
「お姉様、言っておきますがルーシェは私の妹みたいな存在ですからね。」
「貴女、妹か弟が欲しい、て言ってたわよね。」
俺達はリンダ達を孤児院に案内した。
「お~い、ルーシェ。」
「あっ! 村長さん達っ!!」
ルーシェが元気よく駆け寄って来た。
最初は遠慮がちな性格だったが今では活発な性格になり孤児達のリーダー格だ。
「今日は何かご用ですか?」
「お客さんを案内してるんだ。お客さんに挨拶しな。」
「初めまして、ルーシェて言います!!」
ニッコリ笑うルーシェの頭をリンダは撫でる。
「はじめまして、私はリンダて言うのよ。キャミーのお姉さんよ。元気に挨拶出来て偉いわね。」
「キャミーお姉ちゃんのお姉ちゃん?」
「そうよ。」
初対面は良い感じみたいだ。
ルーシェも基本は人見知りしない性格だからな。




