紆余曲折があったみたいで……
「でも、それって結構問題になったんじゃないか? だって、部下が王子の婚約者を取った、と言う事になるだろう?」
「えぇ、両親や親族からは猛反対を受けましたよ。国に睨まれる事になりますからね。」
「新婚当時はいきなり僻地に追いやられて散々な目に遭ったわよ。」
「いや、リンダは魔物狩りが出来る、て楽しんでいたじゃないか……。」
「姉上らしいですね。」
「ぶっちゃけ、体がうずいていたのよね。豪華なドレスを着ているより私は血肉躍る戦士や騎士としての生活が似合っていたのよ。」
何とも武道派のお姫様がいた者だな……。
「リンダのお蔭で武勲もあげられまして、僻地生活も一年で終わって王都に戻って来れたんですが今度は我が家の後継者問題で親族と揉めまして。」
「あんまり上手くいってないのか?」
「そうね、まぁ結婚で揉めたのがまだ残っていたのよ。」
「俺は正直言って継ぐつもりは無かったんです。俺には兄弟がいますし、俺より優秀でしたから。しかし、そうもいかなくなったんですよ。」
「何があったんだ?」
「私の元婚約者だった王子が二度目の婚約破棄を宣言したのよ。」
「はぁっ!? リンダの件で懲りてなかったのか!?」
「その時の断罪にうちの兄弟が王子と一緒にその婚約者を断罪しまして……、見事に追放処分となりました。それで、俺が正式に我が家を継ぐ事になったんです。」
「それはまた……。」
「流石に親戚も色々言ってこなくなりました。おかげで我が家の改革も出来て生活が少し豊かになりましたよ。」




