お茶会の後日談
「ミネルバの先祖の『シュネル・トーリア』は、元々トーリア国の王女だったんだけど、魔法の天才だったのよ。」
「私も聞いた事があるわ。呪文を詠唱しない方法を生み出して、魔法使いの地位向上に貢献した、て言われてるわ。」
アイナも知っているという事は相当有名みたいだな、まぁ、俺もチラッと名前は聞いた事があるような気がする。
「だからこそ、勇者パーティーに選ばれた訳。しかし、性格まで似てるとは思わなかったわ。」
「えっ、その大魔導士もミネルバみたいなタイプだったのか。」
「そう、マイペースでほんわかしていて何を考えているかわからない、だけどイザとなった時は頼りになるそう言うタイプだったわ。」
「……やればできる子。」
「……先代勇者のパーティーて、かなり個性的なメンバーだったんだな。」
「わかるでしょ、当時の私の苦労が。」
……うん、同情したくなったよ。
さて、まぁ色々あったがお茶会は無事にお開きとなった。
全体的には上手くいったみたいで良かった。
「無事に終了して良かったです……。」
「でも、上手くいってよかったじゃないか。」
俺はリリアをねぎらった。
「これも皆さんが準備をしていたおかげです。本当にありがとうございました。これで少しは成長できましたかね?」
「したんじゃないか? 人間て言うのは常に何らかの成長をしているからな。」
「今日はゆっくり寝れそうです。」
それから数日後、コバルトとケンビアで大騒動が巻き起こった。
「国の幹部が更迭された、て?」
「なんでも、反乱を計画していたらしい、と。わざと悪い噂を流して国の利益を害した、と言う事みたいです。なんでもお茶会の後、両国の国王が密かに面談していたみたいです。」
「……娘の手料理ってやっぱり効くんだなぁ。」
「アミア様から手紙が届いたんですが、なんでもクッキーを手土産で持ち帰って渡した時、泣いて喜んだそうです。メイア様も同様みたいです。」




