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元勇者、メドウィン領を再来する
「ノエル様、お久しぶりです!」
「元気そうで何よりだ、メラン。」
俺は久しぶりにリリアと共にメドウィン領へやって来た。
「リリア様もお元気そうで。全く社交界に顔を出しておられないので心配しておりました。」
「私はああいう華やかな場所が苦手なんだ……、知ってるでしょ?」
「あれ?リリアとメランは顔見知りなのか?」
「えぇ、学園で同じクラスだったので。」
そうだったのか……。
あの件以来メドウィン領には度々訪問して手伝いをしている。
「大分、緑も増えてきたし土地も豊かになったな。」
「はい、おかげさまで昔の賑わいが戻りつつあります。」
それはメランの表情から見て取れる。
最初会った時は疲れた表情をしていたが今はイキイキとしている。
「そういえばこちらの方は変化はあったか?」
「そうですね……、若干領地が広くなりましたね。周辺の貴族が領地開拓に失敗して土地を国に返上してますから。」
「そもそも、領民あっての領地なんですからね。」
リリアの言うとおりだ。
ちゃんと肝に銘じてないといけない。