元勇者、昔話をする
クワイアの案内で村近くの森に入って行った俺達。
「そういえば、アイナとパーティー組むの魔王討伐の旅以来だよな?」
「そうだったわね・・・・・・。あの頃は全然余裕が無くて自分の殻に閉じこもっていたわね。」
アイナは基本無口でクールだったからな。
「お母様から聞きましたけど、何度かバラバラに行動した事もある、らしいですけど。」
「・・・・・・カインに報告する為にたまに宿を別々にしていた事はあったわ。」
「アレはそう言う意味だったのかっ!?」
「カイン達は王族の別邸にいたからいちいち報告に行かなきゃならなかったの。戻ってきたらノエルは厄介事に巻き込まれてる事もあったわ。」
そうなんだよなぁ、一人でいると何故かわからないが厄介事に巻き込まれてるんだよ。
「当時は国からの支援金だけじゃ生活出来なかったからギルドに寄って依頼を受けてたんだよ。」
「勇者なのにですか?」
「勇者なのにだ。当時から俺は仲間外れにされていたからな。」
「国からの指示だったのよ。ノエルとは余り親しくするな、て言われていたから。」
「やっぱりか。あの時は見えない壁みたいな物があったからな・・・・・・。」
言われてみれば確かにステラ達とは食事も一緒にはしたけどプライベートな話とかはした事無かったな。
それも国からの指示と聞くとレバニアにとって俺がいかに邪魔な存在だったかはわかるな。
まぁ、今となってはどうでも良い話だけどな。




