元勇者、補佐官の弱点を知る
リリアはシュバルツの隣の家に住む事になった。
まぁ、1日目は皆で歓迎会を行った。
リリアも戸惑いながらも楽しんでくれたみたいだ。
翌日から我が家に来て補佐官としての仕事を始めてくれたのだが・・・・・・。
「えぇっ!? 今までノエル様一人でやっていたんですかっ!?」
「一人というか、サポートをしてくれてる人はいたが正式に雇った事は無いな。それに城と違って村の仕事はそんなに無いんだよ。まぁ、修理してくれ、とか建物を作りたいから許可してくれ、とかそんなもんだよ。まぁ、これからは多分仕事が増えるだろうけど。」
「増える所じゃないですよっ!! 新たな領地の管理や開拓もしなければいけなくなるんですからっ!!」
うん、わかっていた。
「まずは役場を作りましょう! 新たな領地には支部を作って代表を決めましょう!」
「あぁ、代表ならもう決まっている。」
「だったら、定期的に会議をやらないとダメです。」
と、まぁこんな感じで補佐官として政治素人の俺をテキパキとサポートしてくれるからありがたい。
しかし、1週間後に綻びが見え始めた。
「おはようございます・・・・・・。」
「どうした? 元気が無さそうだが。」
「実は2日間位食事をしてないんです。」
「えっ!? どうしてだっ!?」
「えっと・・・・・・、それが・・・・・・、自炊に挑戦しようと思ったんですが・・・・・・、火加減がわからなくて・・・・・・。」
「・・・・・・真っ黒焦げにしてしまった、と?」
「・・・・・・。」
無言で頷いた。
「いくら王族だから、って簡単な調理は出来るだろ? それに学校で勉強しなかったのか?」
「城にはメイドや執事がいましたからやった事は無いです。学校でも確かに授業はありましたが私は包丁すら持たせてくれませんでした・・・・・・。」
・・・・・・周りが過剰に気を使ったのか。
こりゃあこれから大変だな。