元勇者、補佐官の人柄を聞く
「嵐が吹き荒れた様だったな……。」
クラリス王妃が帰った後はどっと疲れたような感じがした。
心地よい疲れ、という感じではなく嫌な疲れだった。
「俺、何か厄介事を押し付けられたような感じがするけど気のせいか?」
「決して、気のせいじゃないですよ……。」
そこは否定してくれよ、シュバルツ。
「ていうか、リリアってどんな奴なんだ? 王妃様と同様、騎士団に所属しているんだろ?」
とりあえず王妃様の血が濃いというぐらいはわかっているが。
「リリアは別名『破滅のリリア』と呼ばれているんです……。」
「凄く物騒な二つ名だな。魔王軍にもいないぞ。そんな二つ名を持っている奴は。」
「騎士としての実力は確かです。一部隊の隊長をやってるんですが……、『破滅』というのはリリアに悪い意味で関わった人物が必ず不幸になりその身だけでなく一族共に破滅する、と言う事に由来するんです。」
……どういう意味だ?
「報復が待っている、と言う事か?」
「サラさん、その通りです。ですが、リリアは直接はしていないんです。リリアは『召喚士』としての能力もあって、強力な精霊と契約を交わしているんです。その精霊達がリリアを溺愛していて……、リリアを泣かした人物に……。」
「あぁ、そう言う事か。」
漸く理解が出来た。
要は本人よりも周りに気をつけろ、と言う事か。




