元勇者、エルフィンの事情を知る
「人間界では貴重だと思うけど、ドラゴン界では嫌われ者なのよ。ハーフドラゴンて。」
そう言って苦笑いするエルフィン。
「私はドラゴンになれないし、翼も片方だけ。住んでいた集落では苛められてたわ。」
ドラゴンにはドラゴンの複雑な関係があるんだなぁ。
「それで、此処にダンジョンを作ったのか?」
「それもそうだけど、アリス様に勧められた事もあるのよ。『この土地なら大丈夫』て。」
アリスが噛んでいたのか。
そう言えば、前に『ひょっとしたら私の知り合いが移住するかもしれない。』て言ってた事があったな。
それって、エルフィンの事だったのか。
「それで、いつのまにこんなダンジョンを作り上げたんだ? それにこの機械はなんだ?」
「あぁ、これ? 私特製の監視マシンとモンスター製造マシンよ!」
エッヘンと胸を張るエルフィン。
「えっ、でもモンスターは自然発生する物ではないんですか? 人工的に作るなんて聞いた事がありません。」
様々なダンジョンを調査してきたマインも初耳らしい。
「それを可能にしたのがこの私! 集落では友達がいなかったから一人で籠って本を読んだり機械いじりをしていた時に偶然発見しちゃったのよ、モンスターを人工的に作る理論を。その理論をもとに作ったのがこの製造マシン!」
エルフィン曰くモンスターを作るには特殊な素材やモンスターの細胞が必要らしい。
しかし、人工的に作ったモンスターはデメリットがあり改良の余地がまだまだあるらしい。
それをアリスに相談したところ、この場所を勧められたそうだ。
「つまりは実験施設、て言う事か。」
「そう言う事ね。」
「コレ、私の手におえる様な物ではありません……。」
マインもドッと疲れたような顔をしている。
気持ちはすごい分かる。
とりあえずわかった事は目の前にいるドラゴン娘はかなりの天才である事だ。