元勇者、マインの弱点を知る
2Fは獣型の魔物がメインだった。
マインは手慣れたように麻酔銃を使い眠らせていく。
まぁ、俺も剣を使って気絶させてはいるんだが。
「しかし、結構広く感じるんだが?」
「そうですね……、森になってますが石壁が木になっただけですからね。」
迷宮と変わらないんだな……。
それでもマインは迷いなくどんどん進んでいく。
「階段がありました。」
地面に階段がポッコリとあった。
次は3Fか、結構楽しみになって来たな。
俺達は階段を下りた。
「……何も見えん。」
降りたら真っ暗だった。
すぐに松明に火をつける。
「今度はまた普通の石壁か、マイン大丈夫か?」
しかし、返事が無い。
「マイン? 大丈夫か?」
松明で辺りを見回すと隅でガタガタ震えているマインを見つけた。
「マイン、どうしたんだ?」
「わ、私……暗い所が苦手なんです。」
顔を見ると涙目になっていた。
「これのせいで、パーティーを組んでもすぐに追い出されるし……、結局ソロでやっていても限界があるからダンジョンの調査員をやってるんです……。」
ガタガタと震えながら話すマイン。
「大丈夫だ。俺が手を繋いでいるから。」
「……離さないでくださいね。」
さっきと違ってすっかり弱気な姿を見せているマイン。
多分、こっちの姿が本当なんだろうな。




