ハノイ領にダンジョンが発生したらしい
ケイズはうちの冒険者ギルドに登録、冒険者として再出発する事になった。
「国を再興するのか?」
「いいえ、このまま一冒険者として生きていく事にします。俺が戻っても混乱するだけなんで。」
「冒険者は結構きついぞ。」
「覚悟は出来てます。」
その目には迷いは無かった。
「そうか、俺がサポートするよ。」
「ありがとうございます。」
このギルドの所属の冒険者も徐々にだが増えている。
「ノエル、コレを見てくれ。」
「なんだこれ?」
ある日、ガダールからある書類を見せられた。
「最近、ダンジョンが至る所に発生しているらしい。」
「ダンジョンが?」
ダンジョンの基準は『魔物が発生するか迷宮化している洞穴』が基本なんだが、どうやって作られるかはまだ解明していない。
『ダンジョンマスター』と呼ばれるボスを倒してそのダンジョンを制覇する事になる。
そのダンジョンを見つけるのもギルドの仕事だ。
「この辺はダンジョンなんて無いよなぁ?」
「洞穴ならあるけどな、流石にダンジョンは見た事ないな。冒険者になってダンジョンに初めて入ったぐらいだ。」
「ダンジョンって、どうやってレベルとかランクとか決めてるんだ?」
「う~ん、確かギルド本部に査定員がいてそれでランクを決めているらしいんだが、人が決める訳だから当然不正もあったらしい。」
「いや、不正あったらまずいだろ? 命に関わる事なんだから。」
「うん、それで大問題が昔あったらしくてそれで厳しくなったらしい。」
そうか、まぁこの村には関係のない話だけどな……。
それから数日後、ギルド本部から連絡があり、この辺りにダンジョンが発生した、という連絡があった。
しかも、ダンジョンの管理は領主の仕事らしい……。
余計な仕事がまた増えた……。




