元王子、元部下と再会する
俺はケイズを連れて教会にやって来た。
「ノエル様、どうされたんですか……、てケイズ様っ!?」
シンシアはケイズの姿を見て驚きの声を上げた。
「シンシア……、久しぶり。」
ケイズは照れくさそうな顔をしている。
「ケイズ様……、まさか再会できるとは思っていませんでした。」
涙目になっているシンシア。
「シンシア、ケイズはこの村に住む事になったんだ。」
「えぇっ!? 帝国には帰られないんですかっ!?」
「いや……、帰れなくなったんだ。もう国は無くなったから。」
「え……。」
そりゃそうだろ、急に母国が無くなった、て言うんだからな。
俺はケイズから聞いた話をシンシアに伝えた。
「……いつかやらかす、と思っていましたが、まさかこんなに早いとは。」
「まぁ、シンシアを追い出した時点でこうなる運命になってたんだ。シンシアは帝国一の兵士だったからな。」
「そんなに強かったのか、シンシアは。」
「銃器と言う銃器を自分の手の様に使っていたからな。その姿は踊る様に戦場を駆けていたから、『砲撃の戦乙女』と呼ばれたぐらいだ。」
マジか……。
「は、恥ずかしいですから……。」
顔を真っ赤にしているシンシア。
「いや、でも新鮮だよ。帝国時代は無表情で何を考えているのかわからなかったからな。そんなにイキイキした表情をするのを初めて見たよ。」
逆に俺は今のシンシアしか知らないから昔の姿が想像つかないな。




