錬金術師、ホムンクルスを錬成する
「マジでホムンクルスなのか? 昨日は興味が無い、て言ってただろ?」
「あの後、まぁ失敗するだろうと思って命を作る為の材料はあったので試しにやってみようと思って作って一晩置いたら……。」
いや、そんな簡単に作れるのか、ホムンクルスって?
「そもそも、この子がホムンクルスっていう証拠はあるのか?」
「ホムンクルスの特徴って、髪の毛は灰色、両目の色がバラバラなんですよ。」
例の子の顔をじっと見る。
少女は不思議そうな顔をしながら俺の顔を見ている。
髪の毛は灰色の長髪、左目は赤、右目は青、今言われた条件にぴったりだ。
「一応シエンスには連絡しておいたから、多分賢者の石もその子の事も鑑定してもらおう。ところで、その子の名前は?」
「名前……、そういえばまだつけてないです。えっと、自分の名前いえる?」
「?」
やっぱり名前が無いみたいだ。
「名前付けた方が良いだろ?」
「そうですね、どうしましょう……。」
「そうだな……、『レダ』でどうだ?」
「良い名前ですね! 貴女の名前は『レダ』よ、わかった?』
少女はコクリと頷いた。
その後、シエンスが何人かの錬金術師を連れてやって来た。
「私、一人の独断では判断できないので弟子を連れてきました。」
ジャレットはちょっと緊張した面持ちでいる。
賢者の石、そしてレダを見てもらう。
錬金術師たちからは「これはなかなか……」とか「ほぅ……」とか呟いている。
レダにも質問しているがレダは話さずに筆談とかジェスチャーをしている。
そして数時間後、鑑定は終わった。
「結論から言うとあれは間違いなく賢者の石です。そしてレダもホムンクルスです。」
「そ、そうですか……。」
「ジャレット、貴方にはこれからレポートを書いてもらいます。これからちょっと忙しくなると思いますが頑張ってください。」