幕間 シュヴィア城にて
魔王城跡地から聖剣と鎧を回収したシュバルツは城に戻り、サリウスに報告を行った。
聖剣と鎧は魔導士に鑑定を行わせている。
「・・・・・・つまり、レバニアは王子可愛さに勇者の手柄を横取りをし、それに勇者の仲間も加担していた、という事か。」
「はい、聖剣を通じて神に話を聞いた所、その様です。」
「なんという愚かな事を・・・・・・。」
サリウスは溜め息をついた。
レバニア国の王である『メタノル・レバニア』の事は昔から知っていたが、この様な人間だとは思っていなかった。
「レバニア国民はこの事を知らずに浮かれているだろうな・・・・・・。」
「レバニアだけではなく我が国でも手離しで喜んでいる者がおります。」
「何にしてもこの事は決して許される事ではない。聖剣と鎧の調査を行い真実を明らかにされなければならない。そして、真の勇者を称えなければいかん。」
「サリウス王、失礼致します。勇者の鎧に関して急ぎご報告がございます。」
執務室に魔導士が入ってきた。
「何かわかったのか?」
「はい・・・・・・、あの鎧はとんでもない物でございました。」
「どういう事ですか? 魔導士殿。」
「あの鎧には『呪い』がかけられておりました。」
「呪いだと?」
魔導士の話を聞いた二人はだんだんと青ざめていった。
「なんと言う事だ・・・・・・。その様な恐ろしい呪いがかけられていたとはっ!?」
「我々が思っていた以上に勇者というのは過酷な運命を背負っていたんですね・・・・・・。」
「益々、真の勇者殿を見つけなければならんっ!シュバルツ、神は行方を知っているのだな?」
「はい、確かレバニア領内にある小さな村の出身だと聞きました。」
魔王城からシュヴィア城に戻るまでの間、聖剣を通してシュバルツは勇者がどのような人物なのかを聞いていた。
「聖剣と共に勇者の行方を探せ!」
「了解致しました!」
呪いの正体は後々わかります。