元勇者、ギルドを作る
「ガーザスはシュヴィアのギルドに所属する事になるのか。一からの再スタート、って事になるな。」
「そうなるな。今回は生活がかかっているからSは無理でもAランクは目指してみよう、と思ってる。」
ギルドを退会すると今までのランクは全てリセットしてEランクからの再スタートとなる。
これは冒険者を他国へ流れさせない為の策、と言われている。
ただ中にはSランクまで行ったにも関わらず移籍してEランクからまた始める冒険者もいる。
このシステムも上手くいってるのかいっていないのかわからない。
「でも、街まで行くのは面倒なんだよなぁ。」
「ハノイにはギルドは無いのか?」
「無いよ。うちは野獣は出るけど魔物は出ないし、至って平和だよ。」
「でも、規模は小さくてもギルドは申請すればできるぞ。冒険者でも、土木、商業、様々なギルドがあるからな。」
「そういえば、ミレシアも商業ギルドから服の仕事を受けたんだよな。」
ギルドか。無いよりはあった方が良いかもしれないな。
村に帰ったら相談してみるか。
この日は、久しぶりにみんなと飲んでいい気分になり、宿屋に泊まり翌日にハノイに戻った。
ちょうどシュバルツが来ていたのでギルドについて聞いてみた。
「その話をしたかったんです。この村にもギルドを作った方が良いか、と思いまして。」
「ギルドって、そう簡単に作れるもんなのか?」
「色々、条件がありますし規制もあります。まずは『総合』ギルドから始めてみるのをオススメします。」
「総合ギルド?」
「簡単に言ってしまうと『何でも屋』みたいな物です。村とか町だったら普通ですよ。」
なるほど‥‥‥。
「後、ギルドの数には制限があります。基本的には町に一つですが、王都となると広いですから、2つか3つぐらい存在しています。」
「レバニアもそうだったよ。ギルド同士の争いとかがあって面倒くさかったよ。」
「そういうのを避ける為に制限をかけているんですよ。」
シュバルツからギルドの説明を受けてこの村にもギルドを作る事になった。
ギルド長はガーザスにやってもらう事にした。
俺もギルドに所属する事にした。




