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元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
領主編
106/415

元勇者、頼まれる2

「後をつけてきた、て俺に何か用でも?」


「はい、実は‥‥‥、我が領に力を貸して戴きたいのです。」


「? どういう事だ?」


「我が領は今消滅の危機に瀕しているんです‥‥‥。」


 メランの話によると、今メドウィン領は莫大な借金を背負っていて領地没収の危機に陥っている、という。


「きっかけは数年前、我が領にある男がやって来てお父様に投資や融資の話を持ちかけて来たのです。」


「いかにも怪しそうな話だな。」


「はい、私がいたら止めていたんですが、当時は学生で学校の寮に住んでおりました。お父様はその男の話にのってしまい‥‥‥。」


「大金を注ぎ込んだが、その話自体が嘘だった、と。」


「いるんだよなぁ、貴族相手の詐欺師が。貴族は世間知らずが多いんだよ。」


「でも、それだけでは無いんです。何故かその話が他の領主に伝わっていて『援助するかわりに娘をうちの息子と結婚させろ。』という話が来たんです。」


 その話を聞いて、んっ?と思った。


 こういう話は基本的には恥ずかしい話だし公には出来ない。


 勿論、噂話として広まる事もあるが、それにしてはタイミングが良すぎる。


「もしかして、その詐欺師と他の領主はグルなんじゃないか? メランの領地を狙ってるか、メラン自身を狙ったのか。」


「多分、私だと思います。うちの領地には特に特産物はありませんが豊かな方だと思います。それに‥‥‥。」


「心当たりがあるんだな。」


「以前、その領主の息子との見合い話があったのですが、断ったんです。性格的にタイプでは無かったので‥‥‥。」


「多分、それを根にもってやった可能性が高いな。」


「俺もそう思う。悪どい奴がいるから貴族のイメージが悪くなるんだよ。」


「それでノエル様が王族とも繋がりがある、という話を聞きまして‥‥‥。」


 つまり俺を通じて国に訴えてほしい、という事か。


「話はわかった。とりあえず、明日現地を訪ねさせてもらえないか? 父親に会って話を聞いてから対策を考えさせてもらうよ。」


「ありがとうございます。お父様はショックを受けて体調を崩して寝込んでおりますが、多分問題は無いと思います。」


 



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