元勇者、邪神と会う
ミラージュから、此所に来るまでの経緯を聞いたのだが‥‥‥、本当に邪神なのか?
どうみたって、ヤル気なしの少女にしか見えない。
「信じられない、と思うけど本当よ。むしろ、これぐらいが丁度良いのよ。」
さて、現在ミラージュはメナルティを温泉につからせている。
メナルティは入るまでブツブツ言っていたのだがミラージュが『お風呂上がりのフルーツ牛乳を用意してある。』って言ったら大人しく入っている。
「見事に手懐けているなぁ‥‥‥。」
「何百年の付き合いだと思っているのよ。だからと言って安全では無いのよ。」
「どういう意味だ?」
「今の彼女は休止状態の活火山みたいな物で、魔力を溜め込んでいる状態。一度本気を出せば一瞬で世界は滅ぶわよ。」
あんなちっちゃい体にそんなパワーが蓄えられているのか‥‥‥。
「だから、今の状態が丁度良いの。下手に動いたら何が起こるかわからないから。本人も特に世界の動向とか興味はないみたいだし。」
と、メナルティが風呂から上がった。
「ミラ~、ジュース~。」
「ちょっと待て。ちゃんと洗った?」
「‥‥‥。」
目が泳いでる。
「ちゃんと洗う!」
「ふぁい‥‥‥。」
‥‥‥何て言うか、姉妹みたいな関係だな、ありゃ。
「あの方が私達魔族の祖なのか‥‥‥。」
「アリス、現実なんてそんなもんだ。」
「私達が聞いていたのはこの世界を崩壊寸前までに追い込み、神々と死闘を演じ封印された、と言う話だったのだが‥‥‥。」
「その話も本当よ。本人も認めてるし。」
「ん、ほんと~。今はめんどーだから。ミラのお菓子食べれるだけでじゅーぶん。」
何か気持ちは分かるような気がする。
前魔王との戦いで俺も全力を出したからなぁ。
メナルティは今セカンドライフを満喫中という所か。