表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元勇者は静かに暮らしたい(Web版)  作者: こうじ
領主編
102/416

幕間 邪神メナルティ

 ミラージュがハノイ村に来る数時間前、


 聖国内にあるミラージュが住む神殿のある一室の前にミラージュがいた。


「メナー、入るわよ。」


 ミラージュが部屋の扉を開けると、部屋の中は薄暗くモゾモゾと何かが動いている気配は感じる。


 ミラージュははぁ、と溜め息をつき照明をつける。


「うぅ、眩しい‥‥‥。」


 布団にくるまり怠そうな顔をしながらミラージュを見ているのはこの部屋の主、邪神メナルティ。


「今日は月1の掃除の日よ。さっさと起きなさい。」


「あの悪夢の日か‥‥‥。」


 メナルティはゆっくりと起きてボーッとしながら歩く。


 これが世界を崩壊に導く邪神の姿である、とは多分誰も信じられないだろう。


 普段の彼女は部屋に引きこもり様々な本を読み漁っている。


 それが何の為になるかはわからないが、基本的には世界に影響を与えてはいないのでミラージュは静観をしている。


 ただ、部屋の掃除は流石にしなければいけないので月に1回は大々的にしている。


「さて、外に行くわよ。」


「外? なんで?」


「決まってるじゃない。お風呂に入る為よ。」


 その言葉を聞いた瞬間、メナルティは逃げようとしたがすぐにミラージュに捕まった。


 これも日常の光景である。


「は、離せぇ、離してくれぇ‥‥‥。」


「1ヶ月前でしょ、お風呂に入ったの。今日は温泉に行くわよ。」


「温泉なんて入ったら消滅するぅ‥‥‥。」


「温泉に入って消滅する邪神なんて聞いた事無いわよ。」


 メナルティの抵抗なんぞ何処吹く風か、ミラージュはズルズルとメナルティを引きずりながら転移魔方陣に向かう。


 周囲の人々も見慣れた光景だからだろうか、気にはしていない様子だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ