第4話 急行
戦闘はあまり入れないつもりでしたが、多くなってしまいました。もしかしたらこれからも多いかもしれませんが、ご了承下さい。
「魔物はどこだ」
山の下の町に降りると、そこはもうすでに魔物が侵入しており、所々に建物が破壊されていた。
「せ、先生。お父さんがぁ、、」
指を指す方向を見ると、瓦礫の下に男の人が埋もれていた。
「はぁ、風よ吹き抜けろ 風魔法 猛風」
すると男の人に被さっていた瓦礫は吹き飛び、その瓦礫はその後ろにいた数匹の魔物までもを吹き飛ばした。
「大丈夫か、」
倒れていた男は腕を片腕折れており、内蔵も潰れている箇所があった。
「ぅ、、ぅぅ、、、」
「はあ、水よ風よ、この者の傷を癒やせ。複合魔法 完全蘇生」
すると、瞬く傷が塞がりやがて完全に傷は治った。
「え、あ、ユ、ユウマ先生ありがとうございます」
「ああ、それはいい。俺はこの子が来なかったら来てなかったからな。それよりも魔物はどこだ」
「あ、えーと、町の北側から来て、今はもう西側にもまわっています」
「そうか、分かった。アイリスとユイは西側を頼む。俺とエリーら北側に行く」
「はい、」
「お兄ちゃん、気を付けて」
「ああ、エリー、行くぞ」
俺はそう言うと北側に向けて走り始めた。
「く、きりが無いな」
北側の目的地に着くまえに、魔物がもう溢れており、俺達はそれを各個撃破していた。
「ガルルルルルル」
俺は噛みつこうとする牙を傍に落ちていた短剣を拾い上げると、それを抑える。
「グル、グルルル」
それでもまだ噛みつこうとするので、
「短剣技 魔砲」
刀身を魔物の口に突っ込むとそのまま魔力を放出して魔物の喉を貫いた。
「グワルル」
魔物は最後の足掻きにと爪を振りかざす。
「炎よ燃え栄えんと壁になれ 炎魔法 炎壁」
爪は炎の壁に当たり跳ね返される。俺は、
「壁の炎よ、炎槍となり全てを貫け。魔法変化 炎壁」
炎壁だった炎は瞬く間に槍へと姿をかえて、それは虫の息だった魔物の体を容赦なく貫く。槍は体に刺さったまま炎を吹き出し魔物を体内からも焼き尽くした。
「く、まだまだ来る」
前から大きな虫の形をした魔物が空を飛んで俺に毒を吐いてくる。
「くそっ、魔力壁」
毒を全て魔力の壁で受け止めると、近くにあった石を魔物に向けて投擲する。ついでに言うがこの魔力の壁は魔法ではなく単純な魔力の操作であるため消費する魔力の量は半端な量ではない。
「ユウマ、こいつはきりがないな」
「そうだな、もう終わらせるか」
俺達は下界に降りる時、自分の力を封印してきた。しかし一時的にならその力を体に宿すことが出来る。
「制限解放」
一瞬、視界が真っ白に染まるとそれが消えると力が戻っていた。
パチンッ
指を鳴らすとあたり獄炎に包まれ、残っていた魔物は全て焼け死んだ。
「能力封印」
俺は魔物を一掃するとすぐにもう一度リミッターを発動させる。それはこの力が強すぎるからだ。これだけの能力は下界のバランスを崩してしまう。
「さ、行くか」
俺はそう言って、目的地へと再び走り始めた。