その後
前作、超越者 永遠の不幸・永遠の幸福の続きものです。
今回は前作とは違い、そこまで戦闘は入れないつもりですので、暇潰し程度に呼んで下さると幸いです。
「すいませーん、ユウマ先生はいますか」
そう言ってノックの音が聞こえたので俺は扉を開ける。
「あ、ユウマ先生。実は、」
俺はあれから数十年、主神の座を娘のアイカに譲り下界でアイリス達とのんびりと暮らしていた。
「そうか、ではこれを持って行くといい」
俺はそう言って黒い球体を渡す。
「これはなんです」
「それはゴーレムの核だ。目的を念じながら魔力を流すとそれから生まれたゴーレムが完璧にその目的を達成してくれる」
「そんな凄いものを、ありがとうございます」
喜んで町まで走って行く若者を見送ると俺は再度扉をしめた。ここは山の上に建てられた大きな家で、俺とアイリス、セラにエリー、あとユイにサキが住んでいる。サキはサリーの日本名で、せっかくなのだからとそう呼んでいる。
「それにも、さっきの奴。よく来るなぁ」
俺はここにだいぶ前から住んでいるがここ何年かはずっとゴーレムの核を貰いに来る人が急増していた。
「ユウマさま、どなただったんですか」
「トロ村の坊だったよ」
「またあの人ですかぁ、あの人もよく来ますねえ」
「そうだな、まあ、頼ってくれるのはけっこうだけどな」
俺達は下界に降りる時、自分のステータスを全員100分の一にしていた。そして、使えるスキルも数個に留め、下界でフルパワーでは動けないようにした。これについては理由があり、当然下界に降りるには肉体が必要であったが俺達は強すぎた。だからフルパワーで下界に降りると、現世の肉体は溢れ出る魔力などで耐えきれなくなり死んでしまう。
「ユウマ君、帰ってきたよ」
そう言って空を飛んでくるセラとサキ。
「二人ともお帰り。どうだった」
「捕れたよ、たっくさん」
そう言ってアイテムボックスを俺に渡してくる。
「ありがとな、じゃあ飯にするか」
「うん、」
「はい、」
「ええ」
俺は捕らえられた野鳥の首を飛ばすと、臓物を取り除き石窯を使って焼いていく。
バチバチバチ、
美味しそうな匂いが漂い始める。
「ふわぁ、ユウマさん、美味しそうですね」
「だな、お、そろそろ焼けるぞ」
俺は石窯から野鳥を取り出し、皿に乗せる。そして上から塩コショウをまぶし、軽く野菜を添えた。
「さ、皆できたぞ」
俺はここ数年で沢山のことに手を出していて、色々とできることも増えていた。
「皆席についたか、それではいただきます」
『いただきます』
俺達はこうして最近は6人でのんびりと暮らしていた。