『今日も俺様』
わたしの好きな漫画に「綿の国星」というのがあるの。
主人公の子猫はくるくるの巻き毛にエプロンドレスを着ている。
この漫画の中の猫たちは、みんな思い思いの扮装をしていた
マジシャン、ホームレス、旅人、ハンター、
子猫は拾われたんだっけかな~?
小さいから「チビ猫」という名前をもらった
たしかお母さんは、猫アレルギーで
お父さんは小説家だった、
チビ猫の飼い主は浪人生で、人生に行き詰っていた
ただ、猫を可愛らしく擬人化させた漫画じゃなくて
いつか人間になると信じている猫が
飼い主に恋をして
人間になれないと知る猫の悲しみや
それから どう生きるかと悩み立ち上がる
そんな物語だった
ハードボイルドな男
俺にも弱点はある。
ここだけの話
腸が弱いんだ、
少し食べ過ぎれば、
下痢ピーで、
メシが合わなければ、
下痢ピーだ、
その苦しみを見てらんねぇと
朝子が言うんだ。
だから俺には、
最高級お取り寄せごはんで、
無添加・無着色・無穀物、ハーブ入り
なんだとよ、
1,5kg5000円らしいが
宵越しの金などもたねぇ
俺様には、
その価値はわからねぇ
わからねぇが、
有り難くは思ってるぜ、
今日のハゲの夕食は
スーパーPM9時過ぎの半額セール
オーストリア産ステーキ
1枚238円だからな、
「しょうがねぇだろ?」
「俺様はデリケートなんだから」
「そんなことより、観て見ろ、
可愛い女が出てるぜ、」
ん?
かくち◯こ?
こんな女が好きなの?
趣味が悪いのね………
「なんだ?」
「ヤキモチか?」
(笑)
鏡を見ながら、
斜め45°にポーズを極め、
つぶやく、
「鏡に映る俺は、今日も最高だぜ」
猫にも人間と同じだけ
きっと悩みも焦燥感もあるのだろう。
ムーやムー、
せめてわたしといる間だけは
”しあわせがつづきますように”