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エルフの指導者  作者: 月光皐月
第1章 準備
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第31話

前回から約3週間です。すいません。今後更新ペースはこれ以上に遅くなると思われます。


自分だけでご飯が食べられたり、立ったりできる様になってから数日後。

「大丈夫そうか?」

「ええ、大丈夫そう。ありがとう」

ここ数日で調子が良くなった彼女はそう答える。

「じゃあそろそろ色々質問するから答えてもらおうか」

そういうと彼女は体を強張らせる。

「じゃあまずは名前を聞こうか?」

「え、名前?まだいってなかったっけ?」

「ああ、教えてもらってないな」

「そう。私の名前はエカテリーナ。ケルツァニア王国の子爵デサンタ家の長女だ」

「そうか。何故あの時我々の後を追いかけていたんだ?」

「それは王国からの命令だからだ」

「やっぱり王国主導だったか」

「し、しまった」

「その調子でどんどん答えてくれよ」

「うるさいわね。もう答えないわよ」

「我々の後をつけてどうするつもりだったんだ?」

「答えないって言ってるでしょ!」

「まぁ答えなくてもいいがどうなってもいいのか?」

「どうなっても?」

「一応お前にとってここは敵地だからな」

「それがどうしたのよ。何が何でも逃げてやるわ」

「どこかも分からない森の中から逃げ出せるのか?」

「うぐっ。やってみなくちゃ分からないじゃない」

「森の民であるエルフと森で"かくれんぼ"か。やってみるといい、全部捕まえてやるから」

「言ったわね」

「あぁ言ったよ。逃げ切れるならね」


というわけで、家から出る。

「すぐ追いかけて来るのは無しね」

「わかってる」

それを聞くと彼女は森へと走っていく。

「じゃあ3分間だけ待つか」

「本当に良かったの?」

カチューシャが聞く。

「あぁ捕まえられるからね」

「そうね。この森は私達にとって庭みたいなものだしね」

「そうそう。じゃあ捕まえに行ってくる」

「いってらっしゃい」

そう言って手を振る。

「私のことはいつ捕まえてくれるのかしら...」

そう言ったカチューシャの発言はアドルフには聞こえていなかった。




「あのエルフの青年には悪いけどこのまま街まで逃げさせてもらうわ。それとちゃんと通った場所覚えておかないと」

そうして私は覚えやすい周りの風景や木の枝の生え方などを暗記していった。

「にしても後どれ位で森を抜けられるのかしら」


そうして走り続けること数十分。


「一向に森を抜ける気配がないわね。気のせいかもしれないけど同じ場所を走っている気がするし」

辺りを見回してみるが目が回りそうなほど緑ばかりである。

「もう少しか?」

更に走り続ける。

走り続ける。

まだ走る。

まだまだ走る。

だが、森を抜けない。

「はぁ、はぁ、はぁ。まだ森を抜けないの!?」

手を膝につき息を整える。

「もう諦めるか?」

「まだまだよ。ってなんであんたがいるのよ」

普通に声をかけられたので当たり前に答えてしまった。

「いや、そろそろ疲れたかなって」

「まだまだ行けるわよ」

「そうか。諦めがついたら言ってくれ」

更に走り続けること数時間。空がオレンジ色に染まり始めてしまった。

「この森広すぎでしょ。昼頃から走り始めたのにまだ抜けれないの?」

「どうする?」

「仕方ないわね。諦めたわ」

「そうか。後についてこい。戻るぞ」

「戻るまでどれ位かかりそう?もうクタクタだわ」

「30分位だな」

「はぁ!?30分ですって!私途中休んでたとしても6時間近くは走っていたはずよね」

「そうだな」

「なんでそんなに離れてないのよ」

「それは内緒だ」

「良いじゃない教えてくれたって」

「そもそも俺たちもよく分かっていないからな」

「そうなの?」

「あぁ。どうやら里を作った先代の魔法らしいがエルフには関係ないからすっかり忘れていた」

「いつ思い出したの」

「お前が走り始めてすぐだ」

「なんで言ってくれないのよ」

「言ったら面白くないだろう?」

「酷い」

「ほら、急ぐぞ。暗くなる前に戻りたいからな」

「はぁ」

うーん。時間が取れない。いっそのこと活動休止にしてしまおうか

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